脳の中を流れる**脳脊髄液（CSF）と細胞の間質液（ISF）が、
・入り込む
・混ざる
・流れ出す
その循環によって、脳内の老廃物（例：アミロイドβやタウなど）を排出する仕組みのことです。
脳にはリンパ管がほとんど無いため、これが“脳版リンパ系（glymphatic）”として働きます。
睡眠中にだけ強く働く
特にノンレム睡眠（深い睡眠）で脳細胞がやや縮み、
細胞の隙間（間質）が約60%拡大 → CSFが流れ込みやすくなります。
脳内の「老廃物」を流す
- アミロイドβ
- タウ蛋白
- 活性酸素の副産物
- 代謝産物
これらがCSFの流れに乗って排出されます。
血管の“拍動（vasomotion）”が流れを生む
動脈壁のゆっくりした振動や血管周囲の通り道を通じて、
CSFが脳実質の深部へ押し込まれ、その後静脈周囲から排出されます。
グリンパティック排出＝脳の老廃物を流し出す“掃除システム”
深い睡眠で最も活発
認知症、睡眠障害、睡眠薬との相互作用、神経疾患など、臨床的に重要なテーマです。